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編集部おすすめの京都

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狭いからこそ 奥深き世界へ

京都、小さな小さな名店

髪飾り、唐板、針、筆。ひと筋に商ってきたからこその懐の深さを感じさせる専門店が点在するのもまた京都の面白さ。3坪4坪の小さな空間であってもスタイルを変えることはなく長きにわたり愛され続けている店にはどんな秘密があるのでしょうか。
 
驚くほど小さな空間でお商売をしている店々。京都を旅する人がらしさを感じる瞬間は街のあちこちに溢れていますが、そんな店へと足を運んだときも、ああ京都と思うことでしょう。髪飾り、唐板、針、筆。それは一意専心にもの作りをし、商い続けてき老舗の醍醐味が詰まった極小空間なのです。
 
お客と店主との距離が近くなり、自然とコミュニケーションが発生するのも小さな店ならでは。それが思いも掛けない出合いをもたらしてくれることもしばしばです。もちろん商うものが優れているという前提あってのこと。伝統に裏打ちされた京都ならではの醍醐味です。
  

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創業は江戸初期。1651年には宮中御用となり、その後、後西院天皇により「みすや」の名を賜った老舗。

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三條本家 みすや針(お針やさん)  

品質よくかさばらず土産に愛されたのも納得
 
江戸時代には「水、水菜、女、染め物、みすや針、豆腐、生麩、鰻、松茸」と京の名物としてわらべ歌にも唄われた、みすや針。明治時代に発行された京案内の木版本には、遠くから針を買いにきた旅人にお茶を振る舞う店先の様子が描かれているほどで、今も当時の茶釜が残されています。「間口が広かったので、後に針以外の土産物も扱うようになりましたが2003年に原点回帰。針だけを扱うなら広い場所は必要ないと、今の店に建て替えました」と18代目の福井浩さん。蛤御門の変のあとに作られたという庭を風情漂うアプローチとしました。とはいえ和裁用から洋裁用、特殊なものまで150種ほどが揃う針を置くには十分なスペース。空間は新しくなっても、針先から表面、針穴、弾力性と工夫を凝らした針は変わることなく受け継がれています。
 

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桐箱入りの携帯セット3,600円(税込)は店頭でのみ購入が可能となのでご注意を。

 

2016年10月04日掲載

三條本家 みすや針

シンプルな針一本に 凝縮した技と心

創業は江戸初期。1651年には宮中御用となり、その後、後西院天皇により「みすや」の名を賜った老舗です。江戸後期には、上質でかさばらない針は京土産として高い人気を誇りました。布を傷めないよう微妙な角度がついた針先や、糸を通しやすい丸い針穴など、細部にまで技が凝縮された針は、使って納得の品質で、遠来のお客様も多いそうです。江戸時代には「水、水菜、女、染め物、みすや針、豆腐、生麩、鰻、松茸」と京の名物としてわらべ歌にも唄われ、明治時代に発行された京案内の木版本には、遠くから針を買いにきた旅人にお茶を振る舞う店先の様子が描かれているほどで、今も当時の茶釜が残されています。「間口が広かったので、後に針以外の土産物も扱うようになりましたが2003年に原点回帰。針だけを扱うなら広い場所は必要ないと、今の店に建て替えました」と18代目の福井浩さん。蛤御門の変のあとに作られたという庭を風情漂うアプローチとしました。とはいえ和裁用から洋裁用、特殊なものまで150種ほどが揃う針を置くには十分なスペース。空間は新しくなっても、針先から表面、針穴、弾力性と工夫を凝らした針は変わることなく受け継がれています。

三條本家 みすや針の詳細をみる

撮影/伊藤 信 取材・文/大和まこ 間取りイラスト/瞳堂 『婦人画報』2016年8月号「感動の京都」掲載 2016年10月04日掲載

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