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編集部おすすめの京都

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狭いからこそ 奥深き世界へ

京都、小さな小さな名店

髪飾り、唐板、針、筆。ひと筋に商ってきたからこその懐の深さを感じさせる専門店が点在するのもまた京都の面白さ。3坪4坪の小さな空間であってもスタイルを変えることはなく長きにわたり愛され続けている店にはどんな秘密があるのでしょうか。
 
驚くほど小さな空間でお商売をしている店々。京都を旅する人がらしさを感じる瞬間は街のあちこちに溢れていますが、そんな店へと足を運んだときも、ああ京都と思うことでしょう。髪飾り、唐板、針、筆。それは一意専心にもの作りをし、商い続けてき老舗の醍醐味が詰まった極小空間なのです。
 
お客と店主との距離が近くなり、自然とコミュニケーションが発生するのも小さな店ならでは。それが思いも掛けない出合いをもたらしてくれることもしばしばです。もちろん商うものが優れているという前提あってのこと。伝統に裏打ちされた京都ならではの醍醐味です。
  

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奥の芸舞妓さんの団扇や店出しの札が、店を華やかに引き立てる。「うちを目指して足を運んでくれる方が多いです」と店主の定永さん。

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金竹堂(かんざしやさん)  

古都だからこそ作られたこまやかな細工に見入る
 
「建物は創業した江戸時代と大正時代に建てたものです」とは「金竹堂」5代目主人・定永光夫さん。戦前は芸舞妓や太夫のための花かんざしを作って決まった相手にだけ商売し、戦後になってから現在のような店のスタイルに変更したといいます。通りに面した部屋は見世の間とも店の間とも呼ばれ、一見のお客を出迎えるために使われていました。「金竹堂」でもそのひと間を店としたため、必然こぢんまりした空間に。3畳の京間に奥行き40センチほどの棚と土間。表に面したショーケースは格子を外してあとから取り付けたもの。とはいえ、並ぶ髪飾りは定永さんがこれぞと思う技を持つ職人に注文し、その審美眼で選び完成させたものばかり。ここでしか出合うことのない、べ甲や蒔絵、銀の細工。小さな髪飾りのなかに美と技の広い世界を感じさせてくれるのです。
 

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右から、本べっ甲に金蒔絵による波兎のかんざし360,000円。べっ甲に珊瑚33,700円。純銀製に珊瑚と真珠80,000円(すべて税込)。

  

2016年10月04日掲載

金竹堂

華やかで上品な髪飾りの店

「建物は創業した江戸時代と大正時代に建てたものです」とは「金竹堂」5代目主人・定永光夫さん。戦前は芸舞妓や太夫のための花かんざしを作って決まった相手にだけ商売し、戦後になってから現在のような店のスタイルに変更したといいます。通りに面した部屋は見世の間とも店の間とも呼ばれ、一見のお客を出迎えるために使われていました。「金竹堂」でもそのひと間を店としたため、必然こぢんまりした空間に。3畳の京間に奥行き40センチほどの棚と土間。表に面したショーケースは格子を外してあとから取り付けたもの。とはいえ、並ぶ髪飾りは定永さんがこれぞと思う技を持つ職人に注文し、その審美眼で選び完成させたものばかり。ここでしか出合うことのない、べっ甲や蒔絵、銀の細工。小さな髪飾りのなかに美と技の広い世界を感じさせてくれます。

金竹堂の詳細をみる

撮影/伊藤 信 取材・文/大和まこ 間取りイラスト/瞳堂 『婦人画報』2016年8月号「感動の京都」掲載 2016年10月04日掲載

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