湯葉が現代の食卓を救う? 老舗「千丸屋」8代目が湯葉鍋を始めた理由

おばんざいや精進料理でおなじみの「湯葉」。京の人々は古くから「おゆば」と呼び、炊いたん(煮物)やあんかけで親しんできた湯葉は、800年の歴史がある保存食でもあります。「この昔ながらの湯葉の魅力を多くの人に知ってほしい」と、江戸創業の老舗湯葉店「千丸屋」は、この春本店を改装し、「湯葉鍋」の提供をスタートしました。「湯葉鍋」に使用されるのは昔ながらの“乾燥湯葉”。ここにこだわりがあるそうです。
 

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本店のみで味わえる「湯葉鍋」1,800円(湯葉の炊き込みご飯、デザート付き)。
大きな平ゆばがぷっくり膨らんだら食べ頃。

 

ヘルシーなうえ、使い勝手も抜群!乾燥湯葉の魅力を堪能できる 

 
「今でこそ生湯葉が全国的に有名ですが、京の人々にとって”おゆば”といえば、保存食である乾燥湯葉のこと。幼いころから慣れ親しんだ家庭の味なんです」と語るのは、文化元年(1804)年創業の「千丸屋」8代目 越智忠弘さん。約800年前に中国から伝来して以来、貴重なタンパク源として京都で珍重されてきた乾燥湯葉は、干すことで旨みや栄養が凝縮されるのはもちろん、保存もきいて、使うときは出汁の中に入れるだけで手軽に調理できるのも大きな魅力です。

 
「この素晴らしい食材を現代の家庭に伝えたい」と、湯葉づくりの老舗自らがスタートした湯葉鍋ランチは、使う材料も手順もごくシンプル。それは、良質な大豆と水、熟練の技で作り上げる湯葉の味への絶対的な自信の表れでもあります。「一晩水につけた昆布出汁に、鶏肉やしめじ、野菜、湯葉を入れて炊くだけ。ご家庭でも簡単に再現いただけます」と越智さん。鶏やしめじのエキスをたっぷり吸った湯葉は、むっちりと心地よい弾力感があり、旨みも食べ応えも十分です。
 

千丸屋_外観

四条堺町にある「千丸屋」本店は、昔ながらの商家造り。

 

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具材は、湯葉・鶏肉・しめじ・白ねぎ・水菜の5種のみ。
巻ゆば、大原木ゆばなど、形も厚さも違う湯葉は、異なる食感を楽しめる。

 

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だし醤油やわさび、おろし生姜と一緒にあっさりといただく。

 

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徳用ゆばを使った炊き込みご飯と、湯葉汁(豆乳)に寒天を添えたデザート。

 

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湯葉づくりへの想いを語る8代目の越智忠弘さん。

 
店内の売場には、乾燥湯葉のほか、人気商品「ゆばしるく」などの生湯葉も揃います。端っこや割れた部分を集めた徳用ゆばの大袋があるのも本店ならではのお楽しみです。
 

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お土産にもおすすめの、京湯葉詰合せ(大原木5個、切小巻15個)1,200円。

 

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お湯を注ぐだけで、お吸い物や味噌汁が味わえる「湯菜椀」も人気。
湯葉は大原木、切小巻、巻ゆばの3種がある。各300円

 

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店内は2017年春にリニューアル。売場の横に湯葉鍋を楽しむ席が加わった。

 
昔ながらの暮らしや知恵が見直されている今、手軽でヘルシーな乾燥湯葉を食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか? エアコンで身体が冷え、代謝が落ちやすい夏、栄養満点の湯葉鍋で養生してみては。
 
 

■千丸屋(せんまるや)
 
京都市中京区堺町通四条上ル
TEL:075-221-0555
営業時間:販売10:00〜18:00、食事10:00〜15:00LO
開所日:水曜
 
◎公式HPはこちら

 

 
撮影=高嶋克郎 取材・文=山口紀子

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