新緑の名庭案内

【5月・京都人のひとりごと】公家、文人、天下人。各人が好んだ至高の庭へ by 伊藤東凌さん

京都の庭といえば、枯山水庭園を思い浮かべる方が多いのですが、その趣はじつにさまざまです。一乗寺にある「詩仙堂」。文人・石川丈山好みの風雅かつ清浄な庭園。座敷からの眺めが見事で、これほど手入れが行き届いた庭は京都でも屈指ではないでしょうか。対して、「醍醐寺三宝院」の庭は、豊臣秀吉が「醍醐の花見」に際して自ら基本設計を行った権威の象徴としての庭。日本では珍しかった南蛮文化の高価なソテツを大胆に配すなど、秀吉の思いが見て取れます。そして、公家屋敷の庭園として造られた「御所西 平安ホテル」の庭。外国人にも人気の高い庭で、中央の池には石橋が架かり、滝やあずまやが品よく配され、歩いて回るのも楽しい庭です。

『婦人画報』2016年5月号掲載 2016年05月10日掲載

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