厳寒期にのみ仕込む昔ながらの「寒造り」

【2月・京都人のひとりごと】京の“底冷え”が、おいしい日本酒を育てます by 増田徳兵衛さん

大寒のころ、大吟醸の仕込みが始まると、酒造り一番の山場を迎えます。蔵人たちは神経を尖らせ、蔵全体がピリッとした独特の緊張感に包まれます。まだあたりが薄暗い早朝4時ごろから作業を開始し、毎日500~700キロの米を大きな木樽に入れて1時間ほど蒸して仕込んでいきます。この時季の京都は“底冷え”と呼ばれる極寒ですが、蒸し上がった米を冷却するのに適しており、微生物の活動も弱まる寒のころに造られるお酒は、実にきめ細かで風味が豊か。自然のチカラというものは大きいものですね。冬の京都はまた、美味の宝庫です。蕪蒸しに鴨鍋、ふろふき大根……新酒とともに味わえる贅沢な時季なんです。

撮影/高嶋克郎 2016年01月12日掲載

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