初夏の京都、花さんぽ

【5月・京都人ひみつの京案内】新緑の花めぐり by 未生流笹岡家元 笹岡隆甫さん

葵祭の頃になると、上賀茂神社の摂社「大田神社」では、杜若(かきつばた)が見頃を迎えます。 
 
杜若は、「未生流笹岡」の流花でもあり、陰陽和合の“紫”を花色に持つ高貴な花とされています。杜若をいける際は「自分の身を清めてからいけなさい」と教えられた大事な花で、今でも青紫の端正な花姿を前にすると身が引き締まる思いです。平安時代より数々の和歌にも詠まれてきた杜若を愛でながら、悠久の歴史へとタイムトラベルしてみてはいかがでしょう。
 
続いては、宇治の「平等院」に咲く藤。樹齢約250年、長い花房から“砂ずりの藤”とも呼ばれ、藤棚から優雅に垂れる様と鳳凰堂が重なり見事な景色に。京都での花巡りの醍醐味である、古建物と自然美の調和を楽しむことができます。そして、紫陽花なら、「あじさいまつり」で有名な「楊谷寺」へ。一つひとつの花は小さいけれど集まると美しさが際立つ紫陽花は、幼い頃から好きな花。雨上がりはひと際美しく、儚さを秘めた移りゆく花色に心奪われます。
 

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【大田神社】杜若(かきつばた)  

「神山や 大田の沢のかきつばた ふかきたのみは 色にみゆらむ」と藤原俊成が詠んだように、平安時代から咲き、国の天然記念物に指定されている。約2千平方メートルの敷地に2万5千株が一面に咲く。
 
■大田神社
京都市北区上賀茂本山340 
Tel:075-781-0907
9時30分~16時30分 
無休

2017年04月20日掲載

大田神社

葵祭のころに咲き誇る2万5千株の杜若

上賀茂神社から歩いて10分ほどの地にある境外摂社。天鈿女命(あめのうずめのみこと)を祀り、加茂における最古の神社といわれ長寿の信仰があります。こちらの杜若は、「神山(こうやま)や 大田の沢のかきつばた ふかきたのみは 色にみゆらむ」と藤原俊成が詠んだように、平安時代から美しく咲き、国の天然記念物に指定されています。約2千平方メートルの敷地には、2万5千株ほどの杜若が一面に。緑に映える紫色の花は清らかな気品が漂います。

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『婦人画報』2017年5月号掲載 2017年04月20日掲載

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