初夏の京都、花さんぽ

【5月・京都人ひみつの京案内】新緑の花めぐり by 未生流笹岡家元 笹岡隆甫さん

葵祭の頃になると、上賀茂神社の摂社「大田神社」では、杜若(かきつばた)が見頃を迎えます。 
 
杜若は、「未生流笹岡」の流花でもあり、陰陽和合の“紫”を花色に持つ高貴な花とされています。杜若をいける際は「自分の身を清めてからいけなさい」と教えられた大事な花で、今でも青紫の端正な花姿を前にすると身が引き締まる思いです。平安時代より数々の和歌にも詠まれてきた杜若を愛でながら、悠久の歴史へとタイムトラベルしてみてはいかがでしょう。
 
続いては、宇治の「平等院」に咲く藤。樹齢約250年、長い花房から“砂ずりの藤”とも呼ばれ、藤棚から優雅に垂れる様と鳳凰堂が重なり見事な景色に。京都での花巡りの醍醐味である、古建物と自然美の調和を楽しむことができます。そして、紫陽花なら、「あじさいまつり」で有名な「楊谷寺」へ。一つひとつの花は小さいけれど集まると美しさが際立つ紫陽花は、幼い頃から好きな花。雨上がりはひと際美しく、儚さを秘めた移りゆく花色に心奪われます。
 

『婦人画報』2017年5月号掲載 2017年04月20日掲載

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