京のお正月支度

【1月・京都人ひみつの京案内】古からの習わしを慶び、“おなじみ”をそろえます by 梶 裕子さん

京都のお正月は、根引き松を門に飾るのが慣わし。文字通り根が付いた松で和紙を巻いて水引をかけた松が、暮れになると「花政」などの生花店に並びます。京都では“根付く”という意味でも好まれていますが、その起源は平安時代に遡るそうで、『源氏物語』にも描かれており、新年最初の子の日に野で若菜を摘み、常緑の小松を根から引き抜いて長寿を祈ったとか。そんな千年前の風習が今も暮らしに息づいています。また、宮中ゆかりのお菓子、花びら餅もお正月には欠かせません。ふわふわの羽二重餠が独特の「聚洸」はお気に入りの一つ。きものでのご挨拶回りが多くなる松の内だから「松栄堂」の塗香も忘れずに。浄い香りに、いっそう心が引き締まります。

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【松栄堂】塗香  

創業300年の香専門店。邪気を払う塗香は、手首や耳の裏に付けると体温で温まり芳しい香りが広がる。塗香(15g)400円〜、黒檀塗香入れ 3,200円、巾着袋500円。
 
■松栄堂 
京都市中京区烏丸通二条上ル東側 
Tel:075-212-5590 
9~19時(土曜~18時、日曜・祝日~17時)
無休

2016年11月22日掲載

松栄堂

微妙でしかも奥深く、心安らぐ香りは最高の心遣い

1705(宝永2)年に創業。3代目のころから「松栄堂」の名でお香を専門に扱うようになった老舗です。お茶やお香の席で用いられる香木はもとより、お線香や匂い袋等、さまざまな「香り」の品が豊富に揃います。なかでも、「源氏かおり抄」のシリーズは、源氏物語五十四帖の各情景を香りで綴ったもので、五十四帖の各場面から連想される光景をもとに作られています。平安時代から伝わる薫香をイメージした練り香から、可愛らしい小箱に入った香り袋まで、そのバリエーションはさまざま。日本の伝統的な教養文化と香りとの出合いは、男女を問わず、贈り物にも最適です。香木や練り香、高級線香など伝統的なお香に加え、今の暮らしに合った新しい香りとの付き合い方も提案しています。

松栄堂の詳細をみる

『婦人画報』2017年1月号掲載 2016年11月22日掲載

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