京のお正月支度

【1月・京都人ひみつの京案内】古からの習わしを慶び、“おなじみ”をそろえます by 梶 裕子さん

京都のお正月は、根引き松を門に飾るのが慣わし。文字通り根が付いた松で和紙を巻いて水引をかけた松が、暮れになると「花政」などの生花店に並びます。京都では“根付く”という意味でも好まれていますが、その起源は平安時代に遡るそうで、『源氏物語』にも描かれており、新年最初の子の日に野で若菜を摘み、常緑の小松を根から引き抜いて長寿を祈ったとか。そんな千年前の風習が今も暮らしに息づいています。また、宮中ゆかりのお菓子、花びら餅もお正月には欠かせません。ふわふわの羽二重餠が独特の「聚洸」はお気に入りの一つ。きものでのご挨拶回りが多くなる松の内だから「松栄堂」の塗香も忘れずに。浄い香りに、いっそう心が引き締まります。

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【聚洸】花びら餅  

京都『塩芳軒』、名古屋『芳光』の2店で修業されたご主人の和菓子店。「花びら餅」は、お雑煮に見立てた宮中の祝膳に由来し、丸い餅で、紅色の菱餅・ごぼう・白みそ餡を包んだもの。羽二重餅を使った柔らかな食感が絶品。要予約。400円(税込)。
 
■聚洸
京都市上京区大宮寺之内上ル 
Tel.075-431-2800 
10時~17時 
水・日曜、祝日定休

2016年11月22日掲載

御菓子司 聚洸

女性の心を惹き付けてやまない、色と形

思わず見過ごしてしまいそうなさりげない店構えながら、販売は要予約という人気の和菓子店「御菓子司 聚洸」。京菓子の名店「塩芳軒」と、わらび餅で有名な名古屋「芳光」の両店で計10年修業をしたご主人が作る、その季節にしか食べられない和菓子を求めて、全国からお客様が集まります。たとえば春には、水面に舞い降りた桜の花びらが流れ行く光景を描いた「花筏」。氷餅をまぶし焼き印を押したもので、ピンクと白の絶妙な色合いとぽってりとした丸い形が、京都の雅な春を思わせてくれます。また、秋の「秋風」は、淡い色のついた細長い餡を巻くことで風の流れを表現した情緒あふれる上生菓子。試行錯誤しながら聚洸の味にしていったというわらび餅も、「ここのがいちばん」と太鼓判を押す人が多い人気の品です。

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『婦人画報』2017年1月号掲載 2016年11月22日掲載

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