至福のお茶処

【10月・ひみつの京案内】静かな時間が流れる隠れ家喫茶で、お茶を一服 by 佐々木まなびさん

京の街がほんのり紅葉で色づき始めた秋の午後、街の中にいながら自然の気配を感じられる“市中の山居”で、ゆるりとお茶を一服楽しみたいものです。岡崎の路地にある「好日居」は、大正期の古民家を生かした中国茶喫茶。しゅんしゅんと沸き立つ湯音を耳に、香りの良い台湾烏龍や茶の原産地・雲南省の樹齢500年を越える古樹茶を堪能します。
 
石塀小路に建つ「茶亭 よし本」は紅茶の専門店。秋風に揺れる前栽や坪庭を愛でながら、春・夏・秋摘みと収穫時期によって異なるダージリンの繊細な味や香りに酔いしれるのも一興です。上質な日本茶をいただくなら、いろはもみじが彩る円山公園の「茶菓円山」へ。八坂神社の御神水で淹れるまろやかな茶味と季節の生菓子が絶品です。どのお店も、茶室のように引き算の美を生かしたしつらいも素晴らしい。一歩中に入れば、たちまち忙しい日常を離れ、心を自由に遊ばせることができます。

『婦人画報』2018年10月号 2018年09月04日掲載

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