世界が注目? “ZEN”がテーマのカフェ&ギャラリー「Cafe & Gallery 隠 ON」が誕生

茶道に庭園、精進料理などの京文化とも関わりが深く、海外でも“ZEN”の名で広く知られる禅の教え。この「禅」をテーマにした小さなカフェ&ギャラリーが、2017年夏、二条城前に誕生しました。ギャラリーでは、臨済宗中興の祖で、美術史界でも近年再注目の名僧・白隠(はくいん)が描いたユニークな禅画を間近で鑑賞できるほか、気軽なカフェも併設。また、下鴨の人気骨董店「アンティークMASA」がプロデュースしたという、洗練された設えや空間も見逃せません。
 

すたすた坊主

白隠禅画でおなじみの『すたすた坊主』。
乞食芸をする布袋さんを通じて、白隠の深い慈愛が描かれている。

 

カフェ

土壁に素朴な掛け花。茶室のような趣のミニマムなカフェ。

 

破りで、”ゆるカワイイ”。「白隠禅画ワールド」を体感できる

 
「Cafe & Gallery 隠 ON」で出合えるのは、駿河生まれの禅僧・白隠(1685〜1768)が、弟子や民衆に仏法を広めるために描いた、自由で破天荒、時にユーモアに溢れた禅画や墨蹟(ぼくせき)など。カフェで禅画というと、斬新な取り合わせに聞こえるかもしれませんが、「衆生本来仏なり(人間は、そもそも仏なのだ)」と説き、生涯を通じて民衆と親しんだ白隠の真髄に触れるのには、お寺を離れた市井の空間がぴったりなのかもしれません。
 

Cafe & Gallery 隠 ON

二条通に面した入口。1階をカフェ、2階をギャラリーに。
見学料は、ワンドリンク付で800円(税込)。カフェのみの利用もOK。

 

Cafe & Gallery 隠 ON

ギャラリーでは、広島の禅宗寺院が有する白隠禅画のコレクションを随時公開。
『達磨像』に代表される野太い筆致の作品から、
漫画のように“ゆるカワイイ”線画まで、多彩な作風がそろう。

 
白隠禅画のモチーフは、釈迦や達磨など仏教界のスターのみならず、七福神やおたふくなど民間信仰に根ざしたもの、蟹やねずみを擬人化したキャラクターなど、じつに多彩でユーモラス! また、添えられた賛(詩や文)に、古典のパロディや語呂合わせ、流行歌謡、「劇中劇」のような現代的なテクニックが取り込まれている点も見逃せません。これによって、見る者は巧みに軸の中へと引き込まれ、人間の本質を問う深いメッセージに気づかされるのかもしれません。
 

苦行釈迦

絶壁で苦行に励む釈迦を描いた『苦行釈迦』。
「白隠自身の厳しい修行時代が重ねられています」と、
白隠研究の第一人者で、展示構成を手がける芳澤勝弘氏。

 

鑑賞後は、茶室のような佇まいのカフェで一息。

 
1階に設けたカフェでは、河原町三条『直珈琲』が特製ブレンドしたコーヒーが味わえるほか、残暑厳しい季節はかき氷で涼むのもおすすめです。器は、空間プロデュースを手がけた「アンティーク&アートMASA」のオリジナルアイテムで、中世の雑器「山茶碗」をモダンにアレンジしたもの。壁の花入れに見立てたのは、朝鮮・新羅時代の土器。洗練されたしつらえにも、感性が刺激されます。
 

かき氷

季節限定のかき氷は全4種。こちらは、ゆず味にヨーグルトソースをトッピング。800円(税込)。 

 

時代屛風パネル

壁のオブジェは、MASAオリジナルの「時代屛風パネル」。
狩野派の屛風(江戸期)をミニパネルに仕立て直したもの。購入も可能(35,000円〜)。

 

白隠

白隠グッズのクリアファイル450円、あぶらとり紙400円。
左上は、江戸時代に摺られた禅宗の仏書1枚2,000〜3,000円は別料金で額装も可能(すべて税込)。

 

ギャラリーのすぐそばには、年間190万人もの観光客が訪れる世界遺産・二条城もあります。お城見学の後は、喧噪を離れた隠れ家で、知るほどに奥深い禅画の世界にふれてみてはいかがでしょう。

 
 
 
■Cafe & Gallery 隠 ON(カフェギャラリーオン)
 
京都市中京区二条通堀川東入ル矢幡町313
TEL:075-724-8600
営業時間:12:00〜18:00(17:00LO)
定休日:月曜
 
◎ 公式HPはこちら
◎ アンティーク&アートMASAの記事はこちら

 
 

 
撮影=高嶋克郎 取材・文=山口紀子

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