今週のだるまさん

啐啄同時

日本最大級の禅寺の塔頭「妙心寺退蔵院」の副住職 松山大耕さんによる「禅語」解説。禅の教えや悟りの境地をあらわした「禅語」には、今日も明日も、心豊かに暮らすヒントが隠されています。毎週月曜日更新。

170522_sottakudouji

 
 
[そったくどうじ]親鳥は外から、雛は中からつついて卵の殻が割れます。時機を見計らい、息をあわせて。
 
 
ヒヨコが卵から産まれる際には、ヒヨコが中から殻をつつき、親鳥も外から手助けをして産まれます。雛と親鳥が同時に力を合わせてはじめて産まれてくる。
 
人間の教育でも同じで、まだ十分成長していない段階で殻を割ってしまうと雛は死んでしまう。十分成熟しているのにもかかわらず、手助けが遅れると機を逃してしまう。 
教育は見ることだとよく言われますが、見るというのは機を見るということです。なんでも早ければよいわけでもなく、時間を与えればうまくいくわけでもありません。
 
 
“sottakudouji”
The hen peck the egg from the outside at the same time that the chick pecks from the inside. (A good teacher knows when the student is ready and acts at just the right instant.)      
 

まつやまだいこう●京都生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科修了。2011年日本の禅宗を代表しヴァチカンにて前ローマ教 皇に謁見、2014年には日本の若手宗教家を代表してダライ・ラマ14世と会談し、世界のさまざまな宗教家・リーダーと交流。2014年より世界経済 フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席するなど、世界を股にかけ、宗教の垣根を越えて活動中。次世代を代表する若手宗教家の一人。著書に、『大事なこと から忘れなさい ~迷える心に効く三十の禅の教え~』など。 
 
文=松山大耕 写真=伊藤 信 イラスト(だるま)=瞳堂
 

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