今週のだるまさん

諸悪莫作 衆善奉行

日本最大級の禅寺の塔頭「妙心寺退蔵院」の副住職 松山大耕さんによる「禅語」解説。禅の教えや悟りの境地をあらわした「禅語」には、今日も明日も、心豊かに暮らすヒントが隠されています。毎週月曜更新。

170320_shoakumakusa

 
[しょあくまくさ しゅぜんぶぎょう ]悪いことをしてはいけません。良いことをしましょう。これこそ、秘伝、仏道の究極です。
 
一休禅師が書かれた掛け軸でも有名です。
 
悪いことをしてはならない、良いことをしましょう。
 
当たり前のことなのですが、これがなかなか難しい。
 
中国の詩人、白楽天はある著名な禅僧のもとを訪れ、「仏教の根本の教えとは何でしょうか」と質問しました。禅師は即座に「諸悪莫作、衆善奉行」と答えます。あまりにも平凡な答えに白楽天はあきれて「そんなことは三歳の童子でも知っていることでしょう。馬鹿にしないでください」と言い返したところ、禅師は「三歳の童子でも知っているであろうが、八十の老人でさえ行うことは難しい」と平然と答えたといいます。
 
一番シンプルなことが最も難しい。これはどの世界でも、どの時代でも共通することではないでしょうか。
 
 
“shoakumakusashyuzenbugyou”
Do no evil, perform all good.
 

まつやまだいこう●京都生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科修了。2011年日本の禅宗を代表しヴァチカンにて前ローマ教 皇に謁見、2014年には日本の若手宗教家を代表してダライ・ラマ14世と会談し、世界のさまざまな宗教家・リーダーと交流。2014年より世界経済 フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席するなど、世界を股にかけ、宗教の垣根を越えて活動中。次世代を代表する若手宗教家の一人。著書に、『大事なこと から忘れなさい ~迷える心に効く三十の禅の教え~』など。 
 
文=松山大耕 写真=伊藤 信 イラスト(だるま)=瞳堂
 
 

RECOMMEND

こちらもおすすめ