今週のだるまさん

潜行蜜用 如愚如魯

日本最大級の禅寺の塔頭「妙心寺退蔵院」の副住職 松山大耕さんによる「禅語」解説。禅の教えや悟りの境地をあらわした「禅語」には、今日も明日も、心豊かに暮らすヒントが隠されています。毎週月曜日更新。

 

170612_senkoumitsuyuugunogotokurogotoshi

 
[せんこうみつゆう ぐのごとくろのごとし] 目立たぬように、こっそりと精進する。まるでとぼけているようにも見える。それが一番の大物です。
 
 
最近はお寺の子息だけではなく、いろんな分野の方がご縁あってお坊さんになられます。
 
あるお坊さんは、中学校の先生からこの道を目指され、古武道の達人でもおられます。以前、古武道のお話をしてくださったとき、本当に道を極めた人は気配を消すんだとおっしゃっていました。その方の師匠も一見、小さな普通のおじいちゃんに見えるけれども、指一本触れることができない。

よく観察すると、どこにも隙がない。隠れたところで大変な鍛錬を積んでいらっしゃった。それが真の達人なんだ、と。

能ある鷹は爪を隠す。これが達人の極意なのかもしれません。
 
 
“senkoumitsuyuugunogotokuronogotoshi”
 
His activities are hidden, his work cannot be seen; he seems a fool or an idiot.
 

 
 

まつやまだいこう●京都生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科修了。2011年日本の禅宗を代表しヴァチカンにて前ローマ教 皇に謁見、2014年には日本の若手宗教家を代表してダライ・ラマ14世と会談し、世界のさまざまな宗教家・リーダーと交流。2014年より世界経済 フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席するなど、世界を股にかけ、宗教の垣根を越えて活動中。次世代を代表する若手宗教家の一人。著書に、『大事なこと から忘れなさい ~迷える心に効く三十の禅の教え~』など。 
 
文=松山大耕 写真=伊藤 信 イラスト(だるま)=瞳堂

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