今週のだるまさん

日日是好日

日本最大級の禅寺の塔頭「妙心寺退蔵院」の副住職 松山大耕さんによる「禅語」解説。禅の教えや悟りの境地をあらわした「禅語」には、今日も明日も、心豊かに暮らすヒントが隠されています。毎週月曜日更新。

160916_nichinichikorekonichi

 
[にちにちこれこうにち]中国・唐時代の雲門禅師のお言葉。晴れてよし。降ってよし。曇ってもよし。ありのままを受け入れ、この一日を全身全霊で生きることができれば、まさに日々是れ好日となるのです。
 
数年前、中秋の名月の茶会に海外からカップルがいらっしゃいました。あいにく嵐のような天気で、お月さまは全く拝むことができません。
 
そこで、せっかく遠路はるばるお越しになったおふたりに、普段は非公開のお茶席にご案内して、私が一服差し上げたのです。月は結局見えずじまいでしたが、ほんのり灯りをともした石庭をご覧になりながら、「大雨でお月さまは見られなかったけれども、嵐だったからこそ、本当のおもてなしを体験することができました。ありがとうございました。」とおっしゃって、満足した様子でお帰りになりました。
 
人生にはいろんな場面がありますが、つらい時にしかわからない他人のやさしさや、苦しいときに初めてわかるやすらぎもあります。そういうものの見方ができれば、どんな日でも味わい深く過ごすことができるのではないでしょうか。
 
“nichinichikorekounichi ”
Every day is good day.  (Rain is fine, shine is fine - accept everything as it is.).
 

まつやまだいこう●京都生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科修了。2011年日本の禅宗を代表しヴァチカンにて前ローマ教 皇に謁見、2014年には日本の若手宗教家を代表してダライ・ラマ14世と会談し、世界のさまざまな宗教家・リーダーと交流。2014年より世界経済 フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席するなど、世界を股にかけ、宗教の垣根を越えて活動中。次世代を代表する若手宗教家の一人。著書に、『大事なこと から忘れなさい ~迷える心に効く三十の禅の教え~』など。
 
文=松山大耕 写真=伊藤 信 イラスト(だるま)=瞳堂
 
 

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